お風呂上りに体を拭くと、急にタオルが臭くなるんです。
それも、タオルだけでほかの衣類は大丈夫なんだけどな…
「部屋干し専用」の洗剤と、香りのいい柔軟剤も使っているのに、タオルだけ臭くなるのはわが家だけかしら?
実は、「タオルのニオイ戻り」については多くの方が困っています。
この記事では、クリーニング工場で洗いから仕上げまで担当してきたアライグマが、「濡れると臭くなる原因・対策・予防法」について詳しく解説します。
この記事を読んでいただければ、タオルのニオイに悩まされることがなくなり、家族みんなが気持ちよくタオルを使えるようになります!
【事実】乾いたタオルでも濡れると臭くなる
「しっかり乾いているタオルでも、濡れたとたん臭くなる」
これって、わが家だけかしら?
質は、アライグマも
毎日洗濯しているのに、タオルが臭い!
と悩んでいた時期があります。
乾いた状態で「ニオイ」はわからない
洗濯物が乾いた後、畳んでいるときのタオルは、臭くありません!
でも、お風呂上りに体を拭いていると、タオルから嫌なニオイがしてくるんです。
洗濯する→乾燥させる→タオルを使う「濡れるとクサイ!」
の繰り返しでした。
部屋干し専用洗剤+香りのいい柔軟剤を使っているのに!
テレビCMで「部屋干し専用洗剤」の新商品が出るたびに、試していましたが状況は変わりませんでした。
さらに「柔軟剤」に着目して、「香りのいい柔軟剤」も使ってみました。
洗濯物を干す作業中は「いい香り」がしていましたが、
乾いてからタオルを使うと
「嫌なニオイ+柔軟剤の香り」という結果でした。
いい香りで嫌なニオイを消すことはできない…。
ということで、洗濯担当者として心が折れてしまいそうでした。
タオルが臭くなる原因は「細菌」
タオルが臭くなる原因は
「タオルに残った汚れを、細菌がエサとして分解し排泄のニオイ」
です。
ちょっと、目をそむけたくなる話ですね。
そうですよね。
でも、タオルの嫌なニオイを撃退するために
ついてきてくださいね。
「雑巾のニオイ」の発生源:モラクセラ菌
一般的に「タオルが臭い」といわれる原因になっているのが「モラクセラ菌」です。
モラクセラ菌自体は、私たち人間にもいる常在菌で、臭いはありません。
洗濯物に残ってしまう皮脂や汗などを栄養分にして、
モラクセラ菌は増殖し、
そのときに出る「排泄物」が嫌なニオイを発生させます。
よく言われる「雑巾のニオイ」の発生源なのです。
- 温度が20℃から40℃(湿度が60%以上)で急激に増殖する
- 汗や皮脂が栄養になる
- 洗濯しても残る(死滅しない)
- 乾燥しても残る(死滅しない)
- 紫外線に強い
60℃以上の高温では死滅するそうですよ。
「汗臭いニオイ」の発生源:マイクロコッカス菌
洗濯したのに、衣類やタオルが「汗臭く感じる」原因になるのが、
マイクロコッカス菌です。
先ほど解説した「モラクセラ菌」と同様に「マイクロコッカス菌」も常在菌として、私たちの身の回りに存在しています。
菌自体は臭いませんが、水と皮脂や汗を栄養源として増殖し、その時に「汗臭いニオイ」を発生させます。
「加齢臭のようなニオイ」の発生源:洗濯しても残る汚れが蓄積!
洗濯しても「皮脂汚れ」などが少し残ってしまいます。
その残った汚れが空気に触れて「酸化」する時に、「加齢臭」のようなニオイを発生させます。
古くなった衣類やタオルから「加齢臭」がしたら、残った皮脂が酸化している可能性が高いです。
「菌をゼロにする」は不可能。増やさないことが重要!
ニオイの原因菌である
「モラクセラ菌」「マイクロコッカス菌」
を、ゼロにすれば、問題解決が出来そうな気がしますが…
「菌ゼロ」が可能なのか?
これらの菌について、もう少し詳しくみていきましょう。
「菌をゼロ」にはできません
「モラクセラ菌」も「マイクロコッカス菌」も、常在菌として存在しています。
人間の鼻や口などの粘膜にも存在する菌です。
残念ながら「菌ゼロ」は不可能といえるでしょう。
しかし、この菌自体は臭いはありません。
水分と栄養分を得て、増殖するときの排泄物のニオイが問題なのです。
「モラクセラ菌・マイクロコッカス菌を増殖をさせない」
こちらの対策を行っていくのが賢明です。
水量多めの洗濯
菌を増やさないために
「水量を多くして、しっかり汚れを落とす」
洗濯時に意識したい点になります。
洗濯機で洗うときに、水量が少なかったり、洗濯物の量が多すぎると
汚れがタオルなどに残ってしまいます。
すすぎの水が少ないと、洗剤を使って落とした汚れが、再付着してしまいます。
「洗濯物は詰め込みすぎず、多めの水量で洗濯する」
洗濯終了後は、速やかに干す
洗濯終了後、みなさんはどうされていますか?
菌の増殖を防ぐためには
「洗濯終了後、すぐに取り出して干す(乾燥させる)」
のが大切なポイントです
洗濯機の中は、湿度が高く、菌が繁殖する条件がそろっています。
この中に、洗濯物を入れっぱなしにしておくと、菌が爆発的に増えて嫌なニオイを発生させることになります。
洗濯が終わったら、すぐに取り出して干すようにしましょう。
ドラム式洗濯乾燥機をお使いの方は、洗濯から乾燥まで一気に行うことで、菌の繁殖を最小限に抑えることができます。
濡れたタオルが臭い【5つの対策】
タオルが濡れたときの嫌なニオイの原因については、ご理解いただけたでしょうか。
ここからは、「タオルが濡れたときに臭くなる」場合の対策を5つご紹介します。
菌の繁殖を抑えるための対策です!
【対策1】水量多め+すすぎ2回+洗剤を入れすぎない!
洗濯物に皮脂や汗が残ってしまうと、モラクセラ菌などの養分になってしまいます。
嫌なニオイを防ぐためには、洗濯時に「しっかり汚れを取り除く」ことがポイントになります。
おすすめの洗濯方法は
- 洗濯物を詰め込みすぎない(規定量の8割程度に抑える)
- 水量は多めですすぎは2回行う
- 洗剤は水量に合わせた量を入れる(多く入れすぎない)
水量を多くすることで、洗剤の力で分解して水に溶けた汚れが、繊維に再付着するのを防ぎます。
柔軟剤の成分も菌のエサになってしまい、嫌なニオイの原因になっていることもあります。
タオルには柔軟剤を使う必要はありません。
ほかの衣類と一緒に洗濯することが多いと思いますので、柔軟剤の使用頻度を減らしてみるのもおすすめです。
【対策2】酸素系漂白剤を使いつけ置きする
SNSでも話題の「酸素系漂白剤でつけ置き」は、タオルのニオイ対策には欠かせません。
浴槽を使えば、バスタオルとフェイスタオルなど、全部つけ置きできます。
- 60℃くらいの熱いお湯をに「酸素系漂白剤」をしっかり溶かす
- ニオイの気になるタオルを①に入れる
- 2時間程度つけ置きした後、洗濯機ですすぎと脱水を行う
- 洗濯機で、ほかの洗濯物と一緒に、いつも通りに洗濯する
アライグマはこの方法でタオルの臭い対策をしています。
以下の記事では写真を使って解説していますので、参考にしてください。
【対策3】少量なら煮沸消毒
嫌なニオイのタオルの枚数が1枚や2枚なら、煮沸消毒も効果的です。
台所用ふきんなどは、こちらの方法もおすすめです。
- 大きめのお鍋にお湯を沸かす
- 粉末洗剤(液体洗剤より粉末の方がおすすめ)をお湯に溶かす。
- タオルを入れて、吹きこぼれに注意しながら10分ほど煮沸する
- すすぎ・脱水をして乾燥させる
殺菌効果は高いですが、少し手間がかかります。
- 煮沸消毒は、吹きこぼれが起こりやすく、目が離せません。
- 煮沸はタオルの生地を傷める原因になります。
時間に余裕のある時にチャレンジしたい方法ですね。
【対策4】衣類乾燥機を使う
衣類乾燥機を使うようになってからは、タオルのニオイに悩まされることがなくなりました。
洗濯にかかる時間も大幅に短縮されて、個人的には大満足で、おすすめです!
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衣類乾燥機は70℃程度の温風で乾かすことができます。
それに対して、モラクセラ菌などは「60℃以上」で死滅します。
「タオルの嫌なニオイ対策」には衣類乾燥機を使うのが、手間がかからなくていいですね。
コインランドリーの乾燥機もおすすめです。
アライグマが声を大にしておすすめするのが衣類乾燥機の導入です。詳しくは以下の記事でご紹介しています。
【対策】室内干しはエアコン・サーキュレーター・除湿乾燥機!
アライグマは、衣類乾燥機を導入するまでは
「エアコン+サーキュレーター+除湿乾燥機」をセットで使っていました。
洗濯終了後「いかに早く乾かすことができるか!」
これが、菌の増殖を抑えるポイント!
サーキュレーターで風を送りながら、温度と湿度を調節して、室内でも早く乾燥させましょう。
室内干しでは、早く乾かさないと部屋が臭くなってしまうことも…
除湿乾燥機は室温20℃~25℃の時に効率よく除湿してくれますので、エアコンで温度調整するのがおすすめです。
雑菌を増やしたくない【2つの予防策】
濡れたタオルが臭くなるのは「菌が増えるときに出すニオイ」が原因です。
そこで、菌を増やさないことを意識して、洗濯時にできる予防法を2つご紹介します。
予防策1:こまめに洗濯する
「洗濯物をため込まず、早めに洗濯しましょう」
お子さんのいるご家庭では
「洗濯は毎日します」
という方が多いかと思います。
2~3日分をまとめて洗濯する場合は、
濡れたタオルは洗濯するまで放置せず
いったん乾かしておく
のをおすすめします。
濡れたままにしておかない。
これが菌を増やさないための予防策ですね。
予防策2:洗濯終了後すぐに乾燥機で乾かす
「洗濯終了のブザーが鳴ったら、すぐに洗濯物を取り出す」
朝の忙しい時間、ほかの家事もありますので、
「洗濯終わったけれど、干すを忘れてた!」
ってこともありますよね。
洗濯終了後、すぐに干せないときは
洗濯機のふたを開けておく
だけでも、干し忘れの防止になります。
菌が増えるのを抑えるためにも、実行していきたいですね。
注意点
「酸素系漂白剤を使ってみたけれど、相変わらずタオルが臭い」
「ドラム式洗濯機だから洗濯から乾燥まで一気に終わらせているけれど、やっぱりタオルが臭い」
このようなお話を聞くことがあります。
上記の対策と予防を行っても、タオルの臭いが気になる…。
そんな時に、ぜひ見直しておきたいポイントが2つありますので、ご紹介いたします。
おふろの残り湯は使わない
「水温が高い方が洗剤の溶けがいいので、洗濯にはおふろの残り湯を使っています」
という方もいらっしゃいます。
「残り湯洗濯」のおすすめはできません!
おふろの残り湯は「雑菌が活発に繁殖できる温度」なんです。
タオルのニオイの原因も雑菌です。
洗濯は洗い~すすぎまで、水道水を使いましょう!
タオルが古くなりすぎていませんか?
タオルが古くなっていませんか?
古いタオルは酸素系洗剤でつけ置きしても、臭くなりやすいですね。
実は、タオルの寿命は「約1年」といわれています。
30回以上洗濯すると、手触りがゴワゴワして固くなりがちです。
では、気になる経済的負担を試算してみましょう。
タオル20枚とバスタオル4枚を買い替えると考えて
タオル1枚当たり300円/バスタオル1枚当たり1,000円と仮定すると
20枚×300円=6,000円
4枚×1,000円=4,000円
合計10,000
日常使っているタオルを、1年で買い替えるのは、ちょっともったいないかな…
タオルに1万円…ちょっと高く感じてしまいますね。
1か月あたり1,000円を12か月タオル積立をして、年末に一斉に買い替えるという方法もありますね。
さすがに、毎年となるともったいない気がしますが、気持ちよくタオルを使うためには、3年~5年に一度くらいの買い替えがおすすめです。
まとめ
濡れると臭くなってしまうタオルの、原因と対策についてご紹介しました。
- 水量多めで洗濯する(すすぎ2回推奨)+洗洗剤を入れすぎない
- 酸素系漂白剤でつけ置きする
- 煮沸消毒をする(少量の場合)
- 衣類乾燥機を使って雑菌を増やさない
- エアコン+サーキュレーター+除湿乾燥機で早く乾かす
ドラム式洗濯機をお使いなら、洗濯だけでなく
乾燥も一緒に行ってしまえば、雑菌の増殖を抑えられておすすめです。